誰がそんなに先走る?

しょうし

2010年05月16日 08:33

今日は少し京野菜から離れた話を・・・といっても野菜の話ですが・・・。



京都ではキャベツの出荷が最盛期を迎えようとしています。京都=キャベツ・・・結びつきにくいかもわかりませんが、5月6月のこの時期は全国的にみても(昔のことで今はそうとも言いいれませんが)キャベツの流通量からみれば狭間の時期でした。

京都市内・・特に南部地域(私が住む南区や伏見区等)は冬に九条ねぎを出荷しますので、収穫後の畑にキャベツ苗を植えることでまさにその時期に出荷できる作物として古くから生産されていました。


・・・と、まあここまでは前置きです。。



さて、京都のキャベツ出荷は春キャベツから始まります。(この場合、冬のキャベツは置いておいてください。)

大雑把にいうと・・・・

4月→極早生
5月→早生・中早生
6月→中手・晩生


といった流れで出荷されます。


極早生・・・春キャベツというやつです。これが終了しかけるときに早生・中早生系統のキャベツ・・・こちらでは石井といいますが・・・が始まり、石井が終了しかけると中手が・・・そして晩生が・・・という
流れです。


ただ、ここ数年この流れが変わりつつあります。

何でもそうですが、出荷の先取り・・・先取りしたものが高値で取引される傾向があります。

つまり、極早生の時期に中早生を・・・・。
中早生の時期に中手を・・・。



数年前にこれを決定的にする種(品種)が登場しました。

5月は石井が主流だったのですが、その時期に出荷できる中手系の品種が販売?されたのです。


「スーパー青光」


「青光」という中手系品種はあったのですが、「スーパー青光」は石井系統と同時に出荷が出来る品種で数年前に数軒の生産者が出荷したところ市場評価は上々で他の石井系統よりも高値で取引されました。


翌年、ほとんどの生産者が石井系統をやめてスーパー青光に切り替えました。



その結果、品種の狭間もなくなり、シーズンを通してあまり変動のない価格で推移するようになりつつあります。(天候不順等をのぞいて)


出荷当初は生産者にもメリットはあったように思いますが、結果として果たしてどうだったのか・・・。(作る手間等農業技術的なことはわかりかねますが・・・)




石井系統のキャベツは葉も色鮮やかで、中手よりも柔らかく美味しいです。それを消費者に味わってもらえなくなるなんて・・・。




キャベツだけの話を書きましたが、市場の入荷状況をみているとなぜそんなに先走るのか?という思うことが多々あります。



春先に出荷される賀茂茄子等


旬を先取りすれば高値で出荷できるため、そのために努力する生産者の苦労はよくわかりますが、長い目でみて本当にこれでいいのか・・・と。


旬を先取りすることは、旬の期間が長くなる・・・ことでもありますが、出荷が平準化され、その結果「旬がなくなる」ことにならないかと・・・。


九条ねぎやみず菜のように。




消費者にもっと広く「旬」を訴えてひく必要があるのではないでしょうか。









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