市場に出荷することによって・・・

しょうし

2010年10月30日 09:16

市場に出荷することによる利点は多々あります。

京都中央市場(近郷市場)は、京都の生産者にとって本当に大切な市場であって、京野菜のブランドを確立してもらった拠点です。


私が集荷している上鳥羽地域の生産者のほぼすべての生産者が市場出荷をメインとされておられます。市場に対する意見はこれまでいろいろとブログに書いてきましたが、「市場がなかったら・・」ということももちろんあります。


その一つ・・・。


今日、生産者にこんな話をしました。
ある生産者あまり出荷されない束モノを出荷され、他の生産者よりも相当な安値がつきました。自家消費用として作られたもので食べきれなくて出荷したそうなのですが、ちょっと安すぎるのでその理由を話していました。


「どれくらいの株(数)で束してはります?」→「大小いろいろ」
「丈(長さ)は?」→「伸びてる」

これで理由はわかります。


まず、市場に出荷される生産者は株の大きさを揃えています。みず菜の束であれば、そのためにつまみ、間引き・・・。最盛期になると、300束ほど出荷される場合であっても1束3株~4株にそろえて束を作られます。
長さも伸びすぎず・・・短すぎず・・・・。


父の跡を継ぎ、集荷人を始めて17年。いつもきれいな束しやはるなぁ~と感心していたのですが、改めて気づきました。


これって、すごいことなんです。


作物は生き物、気候・天候によって毎年成長の仕方は違います。機械のように同じものが作れるなんてことはあり得ません。それを出荷するときには同じような形にそろえる。


これって、本当にすごいことなんです。



でも長年、京都中央市場に出荷されている生産者にとってはそうしないと高い値段がつかないことを知っておられます。長年、苦労されてこられたのです。作る段階・・・播種する段階から株の大きさを見越してされているんです。


束モノの野菜・・・たとえば、ほうれん草やみず菜・・・小松菜や白才菜、畑菜、しろ菜、壬生菜など(一部をのぞいて)ほとんどは袋入りでの流通が進んでいます。袋入りは、ビニタイを使って束をするものに比べて調整も比較的やりやすく、水洗いもせずに済みますので生産者にとっては作業しやすいものです。



束に限らず、みず菜の大株や京にんじんの面取り、頭芋のそうじ・・、葱の束・・・キャベツの箱詰、枝豆の束・・・などなど。


京都の生産者のすごいところは、作るという技術にプラスして、市場によって束の仕方など出荷する形態に調整することも叩き込まれたというところです。








市場に出荷せずにいれば、野菜のプロ(卸売会社の社員や仲卸の方)の目にさらされることなく、これほどまでにきれいな調整作業はできなかったものと思います。

美味しい・・・
そして、美しい・・・・


これが京都中央市場に出荷されてきた「上鳥羽」の生産者の技術であり、素晴らしいところです。






上鳥羽の生産者が作る京野菜の情報をご希望の方は、ぜひご連絡ください。



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