京の菜時記(豌豆)

しょうし

2010年05月15日 00:48

京の菜時記・・・


今の季節にぴったりの菜時記です。。。


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 みなさん、こんにちは。京の菜時記を書かせていただいております橋本將詞(社会保険労務士)です。毎回、京都でとれる旬の野菜を紹介しようと始めた「京の菜時記」、6回目となります今回、京野菜として指定されているわけではありませんが、ぜひ地場のものを食べていただきたいというそんな新緑の季節にふさわしい野菜をご紹介。

 さて、春の旬野菜といえば前回ご紹介した筍ですが、月が替わって初夏の雰囲気が漂う季節になると味わっていただきたい野菜といえば豌豆(えんどう)豆です。えんどう豆といえば和歌山県のうすいえんどうが有名ですが、実は京都でも各地で作られています。
 えんどう豆は、11月に種を蒔き、芽を吊り上げ、網を張り、花を咲かせて実を収穫します。収穫するまでの工程が多く、また収穫まで半年かかり、生産者にとっては手間隙かかる野菜の一つです。また、収穫作業も蔓(つる)が絡み合った中から実だけを刈り取るために、収穫するたびに蔓(つる)を傷つけることとなり、何度も収穫するというわけにはいきません。実が大きくふくらんだ鞘を見つけて刈り取る作業だけでも手間のかかる作業です。

どんな野菜でもそうなのですが、そのように手間隙かけて収穫したえんどう豆の香りと味をいえば、生産者にとっても大変嬉しく季節を感じさせてくれる野菜です。また、時間が経てば皮が硬くなり香りも落ちます。収穫時よりできる限り早く食べることができる地場のえんどう豆がお勧めです。地場のえんどう豆を「地の豆(ジのマメ)」といいます。収穫したての豆がそれだけ美味しいことを意味します。
京都で農業を営まれている生産者であれば、ほとんどの方が自家消費用としてえんどう豆を作られています。スーパー等に並んでいるえんどう豆も美味しいとは思いますが、最近は畑の横でちょっとした直売をされている生産者もたくさんおられますので、ぜひそちらをご賞味ください。

 えんどう豆といえば「豆ごはん」を連想されることと思いますが、同じく5月に旬を迎える京都のキャベツ(別名:甘藍)と一緒に炊いて食べると、より初夏を感じることができます。キャベツの甘みとえんどう豆の何ともいえない香り・・・、薄皮がはじけて中からジワッとにじみ出てくる豆本来の旨みが絶妙です。

 えんどう豆の旬は、5月のみ。収穫時に蔓(ツル)を傷つけるために何度も収穫できません。どんな野菜でもそうなのですが、1年のうちで「今の時期」という旬な野菜をぜひご賞味ください。






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上鳥羽の生産者も自家消費用で豌豆は作られています。

もう少し・・・かな。









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