京の菜時記(伏見甘長)

しょうし

2010年09月14日 00:05

京の菜時記、第8回目。
月一回の発行で、本日載せる記事は8月号でしょうか。。


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みなさん、こんにちは。京の菜時記を書かせていただいております橋本將詞(社会保険労務士)です。毎回、京都でとれる旬の野菜を紹介しようと始めた「京の菜時記」、8回目となります今回は、伏見とうがらしをご紹介します。

トウガラシは、熱帯アメリカ原産で約6000年前の遺跡から出土するなど相当昔から食されていたようです。日本には、豊臣秀吉の時代に朝鮮半島から伝わり、その当時「高麗胡椒(コショウ)」と呼んでいたという説と、ポルトガル人がブラジルより日本にもたらしたという説もあるようですが、いずれにしても同時代に日本に広まったと考えられています。ただ、その頃に伝来したトウガラシは「胡椒」の名でもわかるように香辛料として用途されていたようで、江戸時代に全国各地作られるようになってもなお辛味の強いものでした。
また、唐辛子と同じ仲間ながら辛味のまったくないピーマンは未だその頃には日本になかったといわれています。

 そんな全国各地で作られるようになったトウガラシの中の一つに、伏見とうがらしは生まれました。「雍州府志」(1684)に山城の稲荷付近で作られていたと記載があり、それ以前より京都伏見辺りで栽培されており、その地名をとって「伏見とうがらし」と名づけられました。別名「伏見甘長とうがらし」と呼ばれるように、形状は細長く10cm~20cm近いものもあり、辛味はありません。(何度も食していますが、辛いものに当たったことがありません。)焼いて少し焦げ目を付け、醤油で食べるのが一般的ですが、天ぷらにしても、葉とともにちりめん雑魚と炊いて佃煮風にしても美味しくいただけます。

 今のように京野菜ブランドが確立する以前は作付面積が減る一方で、出荷量も少なくなりましたが、今では京都府域各地で栽培されており、ハウス等の施設栽培によって年間通じて食べることができるようになりました。ですが、旬の時期としてはやはり夏(6月~8月)。冬の寒い時期に暖房を焚いたハウス内で栽培されるモノを食べるよりも、自然の太陽の光を直接浴びた路地モノが出回る今の時期をお勧めします。施設栽培では、流通量に限りがありコストがかかるため価格が高くなりがちです。

 食物繊維・カルシウム等が豊富で夏バテ防止の京野菜ですので、是非どうぞ。





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