京の菜時記(賀茂茄子)

しょうし

2010年09月13日 07:43

京の菜時記

油断をしていたら、時期がずれてしまいました。
もうすぐ終わりですが、この野菜を・・・・


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みなさん、こんにちは。京の菜時記を書かせていただいております橋本將詞(社会保険労務士)です。毎回、京都でとれる旬の野菜を紹介しようと始めた「京の菜時記」、7回目となります今回は、京野菜を代表する野菜、賀茂茄子をご紹介します。

 賀茂茄子の起源については明らかではありませんが、1684年刊行の「雍州府志」という書物に洛東河原において栽培していた丸くて大きい茄子という記述があり、これが賀茂茄子だといわれています。栽培の上で多量の水を要すため、水利に恵まれた地区が産地となり、京都市内では上賀茂・西賀茂周辺が主な産地です。現在では、京都府綾部市や亀岡市でも盛んに栽培されています。ただ、市場価格・店頭価格について、京都産は少々高くなっております。近畿圏では、奈良県でも丸茄子として出荷されており、京都の量販店でも購入することができます。

 手にあまる大きさで、直径は15cm、重さは1k近くあるものも。ですが、近年は比較的小さなものが多くなっています。というのにもわけがあり、料理店にあっては、あまりに大きな賀茂茄子を懐石料理の一つとして出すと、それ一つでお腹がいっぱいになってしまう。また、スーパー等の量販店からも小さいほうが消費者に手ごろ感があるとのことで、綾部市や亀岡市の賀茂茄子は比較的小さめのサイズを多くなっています。一方、昔からの産地である上賀茂・西賀茂の生産者の方は、賀茂茄子にはこのズッシリ感がないと・・・とおっしゃられ、見事なまでの大きくて立派な賀茂茄子を作られておられます。茄子は、1本の木から数十本が収穫できますが、賀茂茄子は花を落とし選定する作業に手間がかかります。大きなものを作るにはなおの事、一つの実に栄養分を集中させるためにもったいないと思えるほど選定し、花のうちに落としてしまいます。そのようにして、立派な賀茂茄子が収穫されるのです。

 賀茂茄子には、「三ヘタ」といって三角形のヘタが特徴で、またそこには大きなトゲがあり、そのトゲに触れると痛いこと。表面を覆う皮は柔らかく、キズがつければそこから傷みはじめるために、収穫・出荷には細心の注意が必要です。

上賀茂の生産者といえば、昔ながらの振り売りで有名です。今でも多品目の野菜を売りに回っておられます。そのために、京都市産に限れば市場を介しての流通量は極端に少なく、また貴重な野菜といえます。





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